国家資格の種類(1等,2等)と,できることの違い

新設される国家資格(免許)は、1等資格(一等無人航空機操縦士)と2等資格(二等無人航空機操縦士)の2種類に区分されています。

取得していると特定飛行の申請が省略または簡略化されるという点は両者に共通ですが、異なるのは、飛行時の立入管理措置(補助者や看板の配置などによりドローンとは無関係な第三者の立ち入りを規制する措置)の必要性です。

2等資格では立入管理措置を講じないで特定飛行を行うことは認められませんが、1等資格では(事前申請は必要ですが)立入管理措置を講じなくても行えるのです。

立入管理措置なしでの特定飛行は、次項で説明する「カテゴリーⅢ飛行」に分類され、それが認められるか認められないかが1等資格と2等資格の違いであるといえます。

もっとも高リスクな「カテゴリーⅢ」に該当する飛行が認められるのは、1等資格を取得した操縦者だけです。(1等資格取得と併せて機体の認証や事故報告を含めた運行ルールの遵守等も条件です)

カテゴリーⅢ飛行とは「立入管理措置を講じないで行う特定飛行」(=第三者が立ち入る可能性のあるエリアでの特定飛行)を指します。(※「第三者上空での飛行」という呼び方もされます)

2等資格(免許)を取得するとできるようになること

【一部の特定飛行の申請が不要となる】
2等資格を取得すると、本来申請が必要な特定飛行のうち次の飛行(カテゴリーⅡB飛行)については申請不要となります。

  • 人口集中地区上空の飛行
  • 人,物との距離が30m未満の飛行
  • 夜間飛行
  • 目視外飛行
    (※上記すべての特定飛行について立入管理措置を講じることが条件)

    【一部の特定飛行の申請が簡略化される】

    申請が必要な下記の特定飛行(カテゴリーⅡA飛行)についても、資格を取得していない操縦者が申請する場合よりも審査が簡略になります。

  • 空港周辺の飛行
  • 上空150m以上の飛行
  • イベント上空の飛行
  • 危険物輸送を伴う飛行
  • 物件投下を伴う飛行
    (※上記すべての特定飛行について立入管理措置を講じることが条件)

    2等資格を取得しておけば、このように申請が不要となったり簡略化されたりします。

     《ビジネスなら2等資格がほぼ必須といえる》 

    2等資格が役立つシーン例

    1等資格(免許)を取得するとできること

    【立入管理措置なしの特定飛行が可能となる(※要事前申請)】

    1等資格を取得すれば、下記の特定飛行9種類(またはその組み合わせ)を立入管理措置を講じることなく行えます。

    1. 上空150m以上の飛行
    2. 危険物輸送を伴う飛行
    3. 空港周辺の飛行
    4. 物件投下(液体を含む)を伴う飛行
    5. イベント上空の飛行
    6. 人や物との距離が30m以内となる飛行
    7. 夜間飛行
    8. 目視外飛行
    9. 人口集中地区上空の飛行

    目視外飛行も特定飛行に含まれるため、たとえば静岡県内にいるオペレーターの管理下で東京都内のオフィス街にドローンを飛行させるといった「立入管理措置を講じないで行う目視外飛行」も可能に。

    新設される資格は1等も2等もあくまで任意資格ですが、立入管理措置なしの特定飛行が認められるのは1等資格取得者だけです。
    ただし、立入管理措置を講じないで特定飛行を行う場合、つまりカテゴリーⅢ飛行を行う場合、たとえ1等資格保有者であっても事前に申請が必要です。

  • ドローン国家資格取得のメリット

    ドローン国家資格の取得にメリットはあるのか?



    ドローンの国家資格として免許制が施行されることで、これまでは法律や条例といったルールを遵守した範囲であれば、資格が無くても誰でもドローンを飛ばすことができましたが、今年の6月20日から施行された機体認証制度(100g以上の機体)が義務化されたことにより機体の情報と所有者の個人情報が義務化され、未登録のドローンは飛行できなくなりました。 このことからもドローン機体に関するルールが整備され始め、ドローン免許が施行されることで明確なスキルの証明となり、ビジネスでドローンを扱う人にとっては取引先様との信頼関係を築けるものとなるでしょう。

    1. これからドローンを始めたい初心者には少し面倒な飛行申請手続きが不要となるもしくは簡略化される

    2.  同制度がスタートした後も、資格を持っていなくても申請すれば特定飛行は許可・承認されますが、手続きに一定の時間を要するのは言うまでもありません。
       また、内容的にも煩雑で、初心者が資格なしで申請を行うことは現実的では無いでしょう。
       資格を取得しておけば、そうした申請手続きが不要となるか、必要な場合にも簡略化されますので、時間や労力の節約になります。

    3. 特定飛行時に限らず大切な信頼性が担保される

    4.  外壁点検のために建物から30m以内の距離で飛行させる、報道・取材のためにイベント上空を飛行させるなど、ビジネス目的で特定飛行を行わざるを得ないというケースは 多いでしょう。
       そうしたケースはもちろん、特定飛行ではない場合であっても、国家資格を取得していれば対外的な信頼性が担保されるといえます。
       「はい、弊社のドローン操縦者は国家資格保有者ですのでご安心ください」のひと言を言えるかどうかの違いです。

    5. 今までできなかった種類の飛行が可能になる(1等資格の場合)

    6.  2種類ある資格のうち難易度が高いほうの1等資格を取得している場合に限られますが、機体を目視することなく遠く離れた住宅地の上空を飛ばすなど、これまではリスクが高いとして認められなかった種類の飛行ができるようになります。

    ドローン国家資格(免許)取得は必須ではない

    ドローン操縦者全員が資格を必要とするわけではありません。
    まだ、今回新設される操縦ライセンス制度が対象としているのは前述の通り特定飛行に限られ、逆に言えばそれ以外の飛行は対象外だからです。
    特定飛行を行わず、しかもあくまで趣味としてのドローン飛行であれば、資格取得は必ずしも必要ではないといえます。

    しかしながら、近い将来には2等以上の無人航空機操縦免許は必須になると考えます。(3年間はHP掲載の講習団体は残すようです)

    ドローンの国家資格とは ~これまでの民間資格との違い~

    いよいよ2022年12月5日からスタートするドローンの国家資格ですが、現状の民間の資格とどう違うのか、色々とわからない事があると思います。 今の資格だけだともう飛ばせなくなるの?民間の資格は取らずに国家資格だけを取る方がお得では?国家資格になると難しくなるの? 趣味で取るなら一等、二等どっちの免許を取ればいいの等々、国家資格に変わることによって皆様の様々な疑問点についてお答えしたいと思います.続きを読む