【ドローンの国家資格】無人航空機技能証明よくある質問FAQs

無人航空機操縦者技能証明とは

以下,指定試験機関より引用

無人航空機操縦者技能証明制度は,無人航空機を飛行させるのに必要な技能(知識及び能力)を有することを証明する資格制度です.国土交通省が運営管理する「ドローン情報基盤システム(DIPS2.0)」にて申請を受けて,指定試験機関が実施する無人航空機操縦士試験(学科試験,実地試験,身体検査)により受験者の技能を判定し,無人航空機操縦者技能証明を行います.なお,登録講習機関の所定の講習を修了することで指定試験機関での実地試験が免除されます.
※本機構で講習を受け,修了審査に合格した方は実地試験が免除されます.

技能証明は,カテゴリーⅢ飛行に必要な技能に係る一等無人航空機操縦士と,カテゴリーⅡ飛行に必要な技能に係る二等無人航空機操縦士との2つに区分され,合格した試験に応じて無人航空機の種類又は飛行の方法について限定をされます.

無人航空機操縦者技能証明制度については,以下の国土交通省ホームページをご参照ください.
https://www.mlit.go.jp/koku/license.html

つまり,①指定試験機関で一発試験を受けるか,②登録講習機関で実地試験免除をうけて,指定試験機関で学科試験と身体検査(身体検査は書面がほとんど)を受けるか.の2択になります.
指定試験機関での一発試験は,自動車の試験と同じで何度も試験場に通うことになりそうですね.

経験者講習と初学者講習について

はじめのうちは,おそらく,大多数の方が経験者が取得を目指すと思います.では,経験者として受講するにはどうしたらよいのか.
本機構で講習を経験者として受講する条件をまとめました.
なお,経験者に対して講習の一部を免除するときの免除項目は,受講者の経験を証明する書類および受講内容により異なるため,
入学申込時に判定します.事前にメール等で確認することも可能ですが,入学申込時には写し等の書類は必要です.


※下表はあくまでも原則です.(2023.01.27更新)

経験者の判定条件一等無人航空機操縦士二等無人航空機操縦士備考
本機構のドローン操縦士修了者直近2年間で6ヶ月以上の飛行経験かつ40時間を超える飛行実績を有する飛行日誌および過去に許可された飛行申請書の写しを提出.
(限定解除希望の場合は,希望項目の飛行許可もしくは十分な飛行実績を有すること)
無条件で,経験者コースを受講可能.限定解除を希望する場合は,経験者として所定のコースを受講すること.
※学科講習時間,実地講習時間は,技能認証の実施基準による
それ以外の方直近2年間で1年以上の飛行経験かつ50時間を超える飛行実績を有する飛行日誌および過去に許可された飛行申請書の写しを提出.
(限定解除希望の場合は,希望項目の飛行許可もしくは十分な飛行実績を有すること)
航空局HPに掲載されている無人航空機の操縦者に対する講習等を実施する団体が発行した技能認定書および飛行日誌(10時間以上)の写しを提出.限定解除を希望する場合は,経験者として所定のコースを受講すること.
※学科講習時間,実地講習時間は,技能認証の実施基準による

国土交通省告示第九百五十一号>より抜粋

登録講習機関を受講し,免許を発行してもらうには

  1. 経験者,初学者を問わず,まずは技能証明申請者番号取得をおこなってください.
    <重要>技能証明申請者番号の取得について
    無人航空機操縦士の資格を取得するときに最初に取得する番号です.これがないと学科試験も実地試験(指定機関または講習機関)など受験できません.
    取得方法は国土交通省のHPを確認してください.
    ※技能証明申請者番号取得時に入力する事務所コードはこちら
    DIPS上で技能証明申請者番号を取得するときに,受講登録講習機関(本機構の事務所コード)を選択する項目があります.
    本機構の事務所コード「T0063001」を選択(最大5つ選択できます)してください.
  2. 本機構で,学科・実地講習および修了審査を受けて,合格してください.修了証明書を発行いたします.(登録講習機関はこの部分のみ)
  3. 講習修了証明書のデータ,講習修了証明書番号を指定試験機関の学科試験に合格した後,指定試験機関へ提出してください.
  4. 指定試験機関の実地試験が免除されます.
  5. 指定試験機関で,学科試験・身体検査をパスし,試験合格証明書発行申込みを行います.
  6. 技能証明発行されます.

ドローンの国家資格を取得する流れ

取得の方法は2種類

【取得方法1】ドローンスクール(登録講習機関)で講習を受けた上で試験を受ける
登録講習機関として国土交通省に登録されているドローンスクールで対象講習を受けた後に、試験場で試験を受ける方法です。
自動車教習所に通って運転免許を取得するのと同様です。

【取得方法2】指定試験機関で直接試験を受ける
自動車教習所に通わず運転免許試験場で受験する「一発試験」があるように、ドローン免許にも指定試験機関で受験する「直接試験」という方法があります。(上図の「直接試験を受ける場合」)


2種類の取得方法の決定的な違い:登録講習機関で講習を受けると実地試験が免除
2通りある資格取得の方法の決定的な違いは、指定試験機関での実地試験受験の有無です。

国家資格である「無人航空機操縦士」資格を取得するには、国が指定する試験機関(自動車でいうところの運転免許試験場のような機関)で実施される試験に合格しなくてはなりません。

指定試験機関で実施されるのは、学科試験・実地試験・身体検査(視力・色覚・聴力検査等)の3つですが、 登録講習機関での指定講習修了生は実地試験が免除される のです。

登録講習機関で受講せずに指定試験機関で直接試験に臨む場合、免除措置は一切ありませんので、学科試験・実地試験・身体検査をフルで受ける必要があります。

一方、登録講習機関で受講していれば、身体検査と学科試験の2つで済みます。

《実地試験は減点方式》

実地試験は机上試験・口述試験・実技試験から成り、減点方式で実施されます。
持ち点100点で、各試験科目終了時に2等資格は70点以上、1等資格は80点以上であればで合格です。

《受講・受験の前に技能証明申請者番号の取得が必要》
各登録講習機関での受講や指定試験機関の各試験の申請には「技能証明申請者番号」の入力が求められるため、同番号をあらかじめ取得しておく必要がありますので留意しましょう。

登録講習機関や指定試験機関の情報自体は今後順次公開予定となっていますが、この技能証明申請者番号については既に発行が開始されており、DIPS(ドローン情報基盤システム)の技能証明メニューにて取得申請可能です。

ただし、同番号の取得申請に際しては「受講する登録講習機関の情報」の項目で受講予定の登録講習機関の事務所コードの入力が必要です。(後から変更することも可能ですので、申請時に指定した登録講習機関以外では受講できないというわけではありません)

したがって、受講予定のスクールの事務所コードが判明してからの手続きとなります。

[参考]技能証明申請者番号取得手続操作マニュアル

国家資格の種類(1等,2等)と,できることの違い

新設される国家資格(免許)は、1等資格(一等無人航空機操縦士)と2等資格(二等無人航空機操縦士)の2種類に区分されています。

取得していると特定飛行の申請が省略または簡略化されるという点は両者に共通ですが、異なるのは、飛行時の立入管理措置(補助者や看板の配置などによりドローンとは無関係な第三者の立ち入りを規制する措置)の必要性です。

2等資格では立入管理措置を講じないで特定飛行を行うことは認められませんが、1等資格では(事前申請は必要ですが)立入管理措置を講じなくても行えるのです。

立入管理措置なしでの特定飛行は、次項で説明する「カテゴリーⅢ飛行」に分類され、それが認められるか認められないかが1等資格と2等資格の違いであるといえます。

もっとも高リスクな「カテゴリーⅢ」に該当する飛行が認められるのは、1等資格を取得した操縦者だけです。(1等資格取得と併せて機体の認証や事故報告を含めた運行ルールの遵守等も条件です)

カテゴリーⅢ飛行とは「立入管理措置を講じないで行う特定飛行」(=第三者が立ち入る可能性のあるエリアでの特定飛行)を指します。(※「第三者上空での飛行」という呼び方もされます)

2等資格(免許)を取得するとできるようになること

【一部の特定飛行の申請が不要となる】
2等資格を取得すると、本来申請が必要な特定飛行のうち次の飛行(カテゴリーⅡB飛行)については申請不要となります。

  • 人口集中地区上空の飛行
  • 人,物との距離が30m未満の飛行
  • 夜間飛行
  • 目視外飛行
    (※上記すべての特定飛行について立入管理措置を講じることが条件)

    【一部の特定飛行の申請が簡略化される】

    申請が必要な下記の特定飛行(カテゴリーⅡA飛行)についても、資格を取得していない操縦者が申請する場合よりも審査が簡略になります。

  • 空港周辺の飛行
  • 上空150m以上の飛行
  • イベント上空の飛行
  • 危険物輸送を伴う飛行
  • 物件投下を伴う飛行
    (※上記すべての特定飛行について立入管理措置を講じることが条件)

    2等資格を取得しておけば、このように申請が不要となったり簡略化されたりします。

     《ビジネスなら2等資格がほぼ必須といえる》 

    2等資格が役立つシーン例

    1等資格(免許)を取得するとできること

    【立入管理措置なしの特定飛行が可能となる(※要事前申請)】

    1等資格を取得すれば、下記の特定飛行9種類(またはその組み合わせ)を立入管理措置を講じることなく行えます。

    1. 上空150m以上の飛行
    2. 危険物輸送を伴う飛行
    3. 空港周辺の飛行
    4. 物件投下(液体を含む)を伴う飛行
    5. イベント上空の飛行
    6. 人や物との距離が30m以内となる飛行
    7. 夜間飛行
    8. 目視外飛行
    9. 人口集中地区上空の飛行

    目視外飛行も特定飛行に含まれるため、たとえば静岡県内にいるオペレーターの管理下で東京都内のオフィス街にドローンを飛行させるといった「立入管理措置を講じないで行う目視外飛行」も可能に。

    新設される資格は1等も2等もあくまで任意資格ですが、立入管理措置なしの特定飛行が認められるのは1等資格取得者だけです。
    ただし、立入管理措置を講じないで特定飛行を行う場合、つまりカテゴリーⅢ飛行を行う場合、たとえ1等資格保有者であっても事前に申請が必要です。

  • ドローン国家資格取得のメリット

    ドローン国家資格の取得にメリットはあるのか?



    ドローンの国家資格として免許制が施行されることで、これまでは法律や条例といったルールを遵守した範囲であれば、資格が無くても誰でもドローンを飛ばすことができましたが、今年の6月20日から施行された機体認証制度(100g以上の機体)が義務化されたことにより機体の情報と所有者の個人情報が義務化され、未登録のドローンは飛行できなくなりました。 このことからもドローン機体に関するルールが整備され始め、ドローン免許が施行されることで明確なスキルの証明となり、ビジネスでドローンを扱う人にとっては取引先様との信頼関係を築けるものとなるでしょう。

    1. これからドローンを始めたい初心者には少し面倒な飛行申請手続きが不要となるもしくは簡略化される

    2.  同制度がスタートした後も、資格を持っていなくても申請すれば特定飛行は許可・承認されますが、手続きに一定の時間を要するのは言うまでもありません。
       また、内容的にも煩雑で、初心者が資格なしで申請を行うことは現実的では無いでしょう。
       資格を取得しておけば、そうした申請手続きが不要となるか、必要な場合にも簡略化されますので、時間や労力の節約になります。

    3. 特定飛行時に限らず大切な信頼性が担保される

    4.  外壁点検のために建物から30m以内の距離で飛行させる、報道・取材のためにイベント上空を飛行させるなど、ビジネス目的で特定飛行を行わざるを得ないというケースは 多いでしょう。
       そうしたケースはもちろん、特定飛行ではない場合であっても、国家資格を取得していれば対外的な信頼性が担保されるといえます。
       「はい、弊社のドローン操縦者は国家資格保有者ですのでご安心ください」のひと言を言えるかどうかの違いです。

    5. 今までできなかった種類の飛行が可能になる(1等資格の場合)

    6.  2種類ある資格のうち難易度が高いほうの1等資格を取得している場合に限られますが、機体を目視することなく遠く離れた住宅地の上空を飛ばすなど、これまではリスクが高いとして認められなかった種類の飛行ができるようになります。

    ドローン国家資格(免許)取得は必須ではない

    ドローン操縦者全員が資格を必要とするわけではありません。
    まだ、今回新設される操縦ライセンス制度が対象としているのは前述の通り特定飛行に限られ、逆に言えばそれ以外の飛行は対象外だからです。
    特定飛行を行わず、しかもあくまで趣味としてのドローン飛行であれば、資格取得は必ずしも必要ではないといえます。

    しかしながら、近い将来には2等以上の無人航空機操縦免許は必須になると考えます。(3年間はHP掲載の講習団体は残すようです)

    ドローンの国家資格とは ~これまでの民間資格との違い~

    いよいよ2022年12月5日からスタートするドローンの国家資格ですが、現状の民間の資格とどう違うのか、色々とわからない事があると思います。 今の資格だけだともう飛ばせなくなるの?民間の資格は取らずに国家資格だけを取る方がお得では?国家資格になると難しくなるの? 趣味で取るなら一等、二等どっちの免許を取ればいいの等々、国家資格に変わることによって皆様の様々な疑問点についてお答えしたいと思います.続きを読む